2.5次元ミュージカルってそもそも何?①~かもめの2.5次元研究報告~
こんにちは、かもめです。
今回はこのブログを立ち上げた本来の目的に関する話をしようと思います。
私は今、ざっくりいうと2.5次元ミュージカルの研究に取り組んでいます。具体的に何をしているかと、『ミュージカル刀剣乱舞in厳島神社』(以下奉納公演)についての研究です。
2.5次元ミュージカルというジャンルは、公演数が増え続けているものの、まだまだ演劇の世界では邪道というか、格式高いイメージは持たれていないと思っています。(そもそもミュージカルだって歌舞伎だって本来は格式高いものじゃないんですけど)
自分だけかもしれませんが、コスプレした人たちがなんかやってるやつでしょう?的なことを周囲の人たちに言われたりもします。
しかし、そんな2.5次元ミュージカル作品が「厳島神社世界遺産登録20周年記念奉納行事」のうちの一つにラインナップされ、実際に奉納公演が行われたわけです。
演劇というジャンルの中でも新参のジャンルが、神様に奉げるに値するものだとされた、これってすごいことだと思いませんか?
そんなことを考えた結果、私は、なぜ奉納公演は実現できたのか?という疑問を持ち、奉納公演実現の背景を研究することにしました。
まだまだ全然研究中ですし、論文にまとめるにはあと4か月くらいかかりそうなんですが、自分の考えを整理したり、自分の研究をPRするために、何回かに分けて紹介していきたいと思います。
初回の今回は「そもそも2.5次元ミュージカルって何」という話です。
個人的に、2.5次元ミュージカルの定義はかなり曖昧だと思っています。
一応、公式に定義しているのが2.5次元ミュージカルに関する活動を支援する、一般社団法人2.5次元ミュージカル協会(以下2.5d協会)です。2.5d協会は、2.5次元ミュージカルを「2次元の漫画・アニメ・ゲームを原作とする3次元の舞台コンテンツの総称。」としています。
しかし、追記で、「音楽・歌を伴わない作品であっても、当協会では2.5次元ミュージカルとして扱っています。」とも書かれているんですね。*1
それってミュージカル??という感じがするんですけど、こうなってしまった原因を私は2つ考えています。
とりあえずテニミュがあって、それが10年の歴史と共に社会的に認知されていった。それを紹介するにあたって、何か呼びやすい言葉の必要性が出てきた。有名どころでいえばテニミュ、だから「2.5次元=ミュージカル」というなんとなくの構図ができたのではないのでしょうか。
2.5次元という言葉が生まれるのがもっと遅かったら、「ミュージカル」という単語まではついてこなかったかもしれません。今ではストレートプレイの作品も増えていますし、芝居パートとレビューパートに分かれている作品もあります。一概にミュージカルとは呼べません。
しかし、2.5d協会が生まれたのが2014年だったからこそ、「2.5次元ミュージカル」という名前になったのでしょう。
さて、ここで1つ疑問が生まれます。
宝塚歌劇団や劇団四季などが公演している作品の中には、”2次元の漫画・アニメ・ゲームを原作とする3次元の舞台コンテンツ”として良いものがあると思いませんか?
にもかかわらず、2.5d協会の公式HPにはその作品たちは挙げられていません。これはどういうことなのでしょうか?
長くなってきたので今回はここまでにします。
次回は、「そもそも2.5次元ミュージカルって何②~宝塚は2.5次元ではないのか~」という話をしたいと思います。
参考資料